大人が本気で遊ぶログ

人生は、遊びだ。

「本を読め」と言われたことない私が、読書するメリットを考えた

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本を読むと、どうやらいいことがあるらしい。

 

私は「本を読め」と言われたことがない。文字を覚えるのと同時に、すぐ読み始めたからだ。親戚からのプレゼントはいつも図書券だったし、それで幸せだった。

 

だからといって、他人に「本を読んだほうがいいよ」と言う気には、あまりならない。

情報が欲しいならネットのほうがてっとり早いことが多々あるし、苦痛を感じてまで読む必要はないと思う。

あと、本を読まない人に「なんで読んだほうがいいの?」と聞かれて、答えるのがめんどくさい。めんどくさいから、考えたことがなかった。

 

しかし前回こういう記事を書いたので、

 

hitomicubana.hateblo.jp

 

ついでに私が思う「本を読むメリット」を、まとめておこうと思う。

 それではいってみよーー。

 

世間が言う「本を読んだほうがいい理由」

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「本を読め」という大人は、そもそもなぜそんなことを言うのか。

 

知識がつくから。

論理的な思考が学べるから。

先人の知恵を知って、実生活に活かせるから。

 

うん、どれもつまらなそう。

 

「知識がつくから」に関しては、確かに、本を読むことで知らなかったことを知る機会はたくさんある。でも、興味がなければ覚えない。

どんなに知識が網羅された本でも、そのことに興味があって「おもしろい」と思って読まないと、残らない。

 

「論理的な思考が学べるから」は、論理的な文章を読んだときに限ります。

 

「先人の知恵を知って、実生活に活かせるから」。

私も20代のころ、自己啓発本や「偉人たちの名言」みたいな本にハマって読みあさっていた。

しかし、自己啓発本の多くは、

「ベストセラーになった本に書かれている内容を、薄くわかりやすく伸ばしたもの」

であることが多く、「じゃあ同じ値段出すなら、元の本を1冊買って何度も読んだほうがいいや」と思うようになった。

 

「元の本ってどうやったら探せるんや」と思うかもしれませんが、私はビジネス雑誌(プレジデントなど)が毎年やってる定番の企画

「絶対に今読むべき100冊」

とかをいくつかチラ見して、いつも出てくる往年の名作みたいなやつを読んでました。

 

カーネギーの「人を動かす」やコヴィーの「7つの習慣」は必ず誰かが推してる。

そういうのを一度読んでおくと、あとで内容が薄い本に出会ったとき「ああ、これはあの本の焼き直しだな」と気づけて、時間のムダが省ける。

 

けどね。

私はそんな理由で本を読んでいるわけでは、ないのです。

「いかに人生を勝ち抜くか」が書かれている本よりも、小説や、事実を主観的に記録した旅行記、ルポルタージュから大事なことを学んだ。

「学んだ」という意識もないままに。

 

ここから、私が思う「本を読んでいてよかった」ことを書きます。

 

よかったことその1.読解力がつく

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小・中・高校と、本を読んでいない日が1日もなかったので、国語の点数はいつもほぼ満点だった。

ポイントは2つだけ。

 

・読解力がある

・漢字を知っている

 

ここでいう読解力とはもちろん、「作者が行間にこめた意図を、その作品が書かれた歴史的背景も含めながら考察する」とかそういうのではない。

 

国語の試験って、質問はだいたいこういうの。

 

問. 太郎はなぜスペインに行きたいと思ったか。次のア~エの中から、もっとも近いものを選べ

 

もっとも近いものって、なんやねん。そんなん太郎さんにしかわからんわい。

 

ここで必要なのは、当然「先生はなんと答えたらマルをくれるかがわかる能力」、それだけである。

 

例えば、「次の選択肢の中から当てはまるものを2つ選べ」と言われたら、3つ選んじゃダメなのである。例えそのうち2つが合っていても、サンカクになってしまうのである。

 

また「アルパカという言葉を使って20字以内の文を作れ」と言われたら、

「あ、アルパカだ。」

とかじゃダメなんである。20字以内と言われたら、句読点ふくめて15字~20字ぴったりにおさめておくと、先生も安心してマルができる。

「20字前後」なら、18字~23字ぐらいが望ましい。

 

そういう文章の行間を読む力、これも「読解力」と言える。

もちろん大人になってからもこの力は役に立つ。

「意味わからん上司のメール」を読解するときなどに。(たぶん)

 

よかったことその2.想像力がつく

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大学で演劇を学んでいたとき、自分の想像力のなさに絶望していた。

たった20年やそこら生きただけの私が、チェーホフの戯曲に出てくる人生の悲喜劇をやすやすとイメージできるわけもなかった。

 

恩師である演出家に「どうやったら想像力がつきますか。それともそれは生まれつきのもので、もう無理ですか」と聞いたことがある。

 

彼女の答えはこうだった。

「想像力は今からでも伸ばすことができる。本を読みなさい。映画やマンガは、想像力をおぎなう要素が多すぎる。活字だけで、イメージできるように訓練しなさい」

 

それから、より意識的に本を読むようになった。

 

例えば、山崎豊子の「沈まぬ太陽」という小説には、ケニアのサバンナに沈む真っ赤な夕日が登場する。

それは東京のビルのあいだに吸い込まれていく小さい夕日では、決してない。

 

いったいどれほどの大きさで、どれだけ赤い夕日なのか。日本からケニアに飛ばされ、その夕日を見た主人公は、どんな表情で、どんな目の細め方をしていたか。

 

そういうことを想像して楽しめるのは、読書の特権だ。マンガは表情が書いてあるし、映画はそのときのBGMまで用意されている。

 

狭い日本で育った私は、オーストラリアのエアーズロックを見に行ったとき、初めて地平線を見た。それは想像の範囲を超えていた。

 

今でもオーストラリアの作品を見たり読んだりすると、あのときのだだっぴろい景色を、赤い砂を、乾燥している空気を思い出す。いくら払っても食べ物に寄ってくる、砂漠のハエ。

 

本を読んでイメージを膨らますだけでも楽しいが、そこに経験がプラスされると、読書体験はさらに豊かになる。

「同じ本を年取ってから読むと、見え方が変わる」と言われるゆえんだ。

 

よかったことその3.自分とはちがう思考の流れに触れられる

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本を読むときに、「読みやすい文章」と「読みにくい文章」とがある。

それは単純に、うまい・ヘタだけで割り切れるものではない。

 

文章には、書いた人の思考や生活のリズムが流れ込む。

私が読みやすく心地よいリズムだと感じるのは、田辺聖子さんと灰谷健次郎さんの文章。

田辺聖子さんは、藤山直美主演の朝ドラ「芋たこなんきん」のモデルになった作家である。

 

ふたりとも、出てくる人物がみな関西弁で、文章全体のテンポもいい。

私は大阪生まれ大阪育ちだから、そのリズムに苦もなく乗れて、いつも最後まであっという間に読んでしまう。

 

反対に、自分とあまりに背景がちがう人物が書いた作品は、読みにくい。

読みにくいが、それがおもしろくないかというと、そうではない。

 

「なんでこの人の文、こんなに読みにくいんだ…。どういう思考回路をすればこういう書き方になるんだろう」

と考えながら読み、自分なりに作者の思考の流れがつかめると、一気に読みやすくなったりする。

 

初めて森博嗣の「すべてがFになる」を読んだときがそうだった。

森博嗣は、理系の作家だ。文の組み方もストーリーの内容も、理系の思考を通して書かれている。

最初は「文章がスっと入ってこないなあ」と思っていたが、読んでいくうちに彼のリズムに慣れてどんどんハマっていった。

 

こんなふうに、読んでいて自分とまったく違うものの見方、考え方に深く触れられた瞬間が、一番楽しいかもしれない。

 

「世の中にはあなたと違う考えの人がいるのよ」と大人に言われるより、本を通して

 「こんな考え方する人がいるんだ…!この登場人物は他人に対してこう思ってるから、こういうこと言っちゃうんだ、へええええ!!」

 と発見するほうが何倍もおもしろい。

 

だから、作家の本を手にして「この文章、読みにくい」と切り捨てる前に、苦い薬を飲み下すように、ゆっくりと、行けるところまで読みすすめてみてほしい。

難しい文章を読んで、その意図するところが理解できたとき、感じるのはよろこびだ。

 

そしてそのよろこびは、ネットでも書籍でも「いかに万人にわかりやすく書くか」が重視される昨今、なかなか得がたいものになっている。

 

私が本を読み続ける理由

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長々エラそうに書きましたが、私が本を読み続ける理由は、単純に

 

おもしろいから。

 

そらそうだ。確かに勉強のため、仕事のために読む本はある。

最近はそういう本のほうが多いくらい。でもそれは、あくまで「仕事」のカテゴリー。

 

私にとって読書とは、てっとり早く現実逃避してイメージの世界で遊べる、趣味である。

「あ~、今日はもう仕事のこと考えたくないな~」ってとき、人によっては映画を見たり、マンガを読んだり、料理をつくったりするだろう。それと同じ。

 

だから仕事以外の本を、「おもしろいと思ってないのに、読めって言われたから読む」という行為はやめたほうがいい。

そのつまんない本読んでる時間を「おもしろい1冊を探す」、または「ほんとに好きなことをする」時間にあてたほうが、いいでござるよ。

 

 ちなみに私がここ数年読んだ中で一番おもしろく、今後も手元に置いて読み返したいと思っているのは、「シャンタラム」という小説。

 

これからもマイペースに、幸せに、読書を楽しもうと思う。