男も惚れる渋イケメン!インドをバイクで6周した写真家が旅を語る【三井昌志さん帰国報告会】

あなたは、イケメンが好きですか?

私は、大大大好きです。

ちょっと、男の人もこれを見てってください。

 

写真集「渋イケメンの国」フライヤーより

「無駄にかっこいい男たち」って、ヒドイ。

ていうか、顔もだけど筋肉に目が釘付け。きんにく。

インドのイケメンは、日本の中性的なイケメンとは少し違うようです。

 

「インドでは、ヒゲや筋肉があって男性的な方が、イケてるという考えなんです」

 

そう教えてくれたのは、写真家の三井昌志さん。

 

過去11年間で、インドをバイクで6周し、魅力的な写真を撮り続けている方です。

インドって、世界で7番目に大きい国で、6周もすると10万キロを越えるそうですよ。

つまり、地球2周分とのこと。もうよくわかりません。

 

まずは三井さんの写真の魅力をご紹介。

 

なんといっても、イケメンを見つけるセンサーがすごい!
大好きです、三井さんが撮るイケメン。(ちょっと一人紹介して欲しい)

この働くイケメンシリーズも、ほんと好き。

 

 

イケメンだけじゃないんですよ、三井さんが撮るのは。

 

 

私もよく海外に行くんですが、どうやったらこんな魅力的な笑顔が引き出せるのか、いつもすごいなと思っています。

さらに、こんなダイナミックな写真から、

 

 

人生のストーリーが見える写真まで。

 

作品からにじみ出る、被写体へのまなざしの温かさに共感し、ずっとTwitterやブログを追っていました。

そんな三井さんが、今年6週目のインド旅を終え、全国で帰国報告会を開かれるというので、はりきって行ってきました!

 

ファインダーのこちら側で、三井さんは何を見、何を感じたのか。
とっても深いお話が聞けたので、さっそくお伝えします。

 

旅はミャンマーから始まった

 

今回の三井さんの旅は、2017年の末に、ミャンマーから始まりました。

ミャンマーって、場所がはっきりわからない人もいると思うので(私もです)、地図をお見せします。

 

 

うん、ていうかインドがマジでかい。

三井さんがミャンマーを訪れるのは1年ぶり。

今回の旅の目的は、バングラデュとの国境近くにある、ロヒンギャの村を再訪することです。

 

「ロヒンギャ」という名前を、ニュースで聞いたことがある人も、多いのではないでしょうか。

 

ロヒンギャとは、ミャンマー西部に住む、イスラム教の人々。

お隣のバングラデシュから、数百年前に移住してきた人たちの、末裔と言われてれているそうです。(ちなみにミャンマー人の多くは仏教徒)

 

彼らは、長くミャンマーに住んでいるにも関わらず、ずっと不法移民として扱われ、ミャンマー国籍がありません。

政府の発行するIDカードがないため、村の外に出ると違法になり、町へ買い物に出かけたり、病院へ行ったり、高等教育を受ることすらできないそうです。

 

三井さんは、2016年にロヒンギャの村を訪ね、差別と迫害を受けながらたくましく生きる人々の写真を撮っていました。

 

 

先祖代々の土地に暮らしているだけなのに、理不尽な扱いを受けるロヒンギャの静かな怒りを、三井さんは感じていたと言います。

そして、2017年8月に、とうとうロヒンギャと政府との間で大きな武力衝突が起きました。

 

ミャンマー政府による過剰な虐殺があり、60万人以上が難民化してバングラデシュの難民キャンプに逃げざるをえませんでした。

60万人って、ミャンマーにいるロヒンギャの6~7割を占めるそうです。

大量の難民が一気に押し寄せたキャンプは、その劣悪な環境がたびたびニュースにもなっています。

 

あのとき出会った人々は、どうなっているだろうか。

そう思いながら、三井さんはバイクで山道を12時間走って、ロヒンギャの村を再訪しました。

 

その村は国境から少し離れていたため、戦闘には巻き込まれず、人々は淡々と生活をしていました。

時折、軍人が通ることはありましたが、土地を耕し、魚をとり、モスクに祈る毎日を繰り返していたのです。

 

そのときの様子や写真は、三井さんのブログに詳しく書かれています。

ロヒンギャの大地を撮る

 

写真に写るロヒンギャの人々は、生き生きとして見えます。

しかし、「彼らはこのままでいいんだ、というメッセージを伝えるのは、本意ではありません」と三井さん。

 

村は政府により電気が止められ、物が乏しく、以前の収入源であった漁業も、武力衝突後は制限されています。女性は高い教育や仕事がないため、17歳ぐらいで結婚し、6~7人もの子どもを産みます。

ミャンマーの中でも、ロヒンギャの村はとくに子どもが多いそうです。

政府は、ロヒンギャの人口がどんどん増えることを脅威に感じ、彼らの権利を奪い、バングラデシュに追い返そうとしてきました。

そのため、さらに貧困になり人口が増える、という悪循環に。

 

そんな彼らは、明らかな差別や迫害を受けているにも関わらず、マスコミや国連から注目されません。

理由は、「差し迫った命の危機がないから」。

ミャンマーで暮らす彼らは、難民ではないため、誰からも注目されない、忘れられた存在なのです。

 

さらに、ミャンマーではここ数年でスマホが増加し、一気に誰でもインターネットが使えるようになりました。

すると、SNSでロヒンギャについての悪質なデマやヘイトスピーチが拡散。

「ロヒンギャは土地を奪い、略奪し、レイプする。我々は正義のために戦わなければならない」と言いふらし、ネットに慣れていない多くの国民が、それを信じてしまっています。

 

あれ、どこかの国でも聞いたような話ですね。

 

三井さんは「フェイクニュースにまどわされないために、まずは相手を知り、コミュニケーションを取ることが大事」と話します。

 

理解し合えないかもしれないけれど、それでもお互いの違いを認めて、ともに生きる道を探らなければならない。

 

実は、三井さんが訪ねた村では、昔から仏教徒とロヒンギャが共存して生活しているそうです。

彼らが穏やかに暮らしているのを見て、三井さんは、わずかでもロヒンギャ問題の行く末に希望はあると感じています。

 

国連によると、全世界の難民の数は、2017年末の時点で、過去最多の約6,850万人。三井さんのお話を聞いて、少しでもロヒンギャの現状が伝わればと、私もこのブログを書きました。

続いては、三井さんの得意分野、渋イケメンを探すインドの物語です。

 

どこかに僕に撮られる人が待っている

 

ちょっと、私が三井さんの写真の中で一番好きなイケメンを見てください。

 

彼です。


え……なんかもう、やばくないですか?

インドの何州のどのへんでどんなご職業されてる方なのか、三井さんにお聞きしたい。

このお兄さんの写真を見るためだけに、ブログに何度もアクセスしてるのは私です。(ごめんなさい)

 

三井さんがバイクで訪れるのは、インドの観光地でも、大都会でもないところ。

インドを6周もしているのに、あの有名なタージ・マハルに行ったことがないそうです。

(全然スケールが違いますけど、私もキューバ4回行ってるのに一度もビーチに行ったことないです。暑いから。)

あの有名なタージ・マハル(ウィキペディアより)

 

「見知らぬ町に行くと、まず市場から歩く」という三井さん。

 

インドの市場はカラフルでスケールが大きく、人々も客商売で愛想が良いため撮りやすいそうです。

それを聞いて、内心(ウワ~~ッ、メキシコのカラフルな市場でもっと写真を撮っておけばよかった!!)と思いました。

まあ、メキシコに住んでいたときの私は、ライターではなく、日本語教師でしたので……仕方ないよね……。

 

町には神様の乗り物である、神聖な「野良ウシ」が我が物顔で歩き、市場の売り物を食べようとしては本気で叩かれているそうです。(神聖なのに)

 

また、インド人の男性は非常に仲がよく、女性との自由恋愛がほとんどないためか、ふだんは男同士でスキンシップを取るそう。カメラを向けると、テンションが上がってオジさんがオジさんのほっぺにキスすることもよくあるとか……。

 

またまた、北部に住んでいるシク教徒は頭にターバンを巻き、ヒゲを生やすという、日本人がイメージするインド人の姿をしています。でも、実はインド全体の2%しかいません。

シク教徒以外にもターバンを巻く人々はいて、よく見ると色や巻き方が違うなど……。

 

さすがインドを地球2周分走っている三井さん、美しい写真も、おもしろいエピソードも、途切れることがありません。

 

カメラを意識せずに黙々と働く渋イケメンや、民族衣装に長いヒゲをたくわえた、激渋おじいさん。キラキラした瞳で微笑む、少年。

三井さんがとらえた、魅力的なインドの人々の写真、見たいですよね? ね??

 

そんなあなたに、はいどうぞ!

 

ザ・著書。

 

もちろん、三井さんの公式サイト「たびそら」でも美しい写真がたくさん見られるんですけど。

こちらの写真集、なんとまあ160ページフルカラーで1,600円(税抜)ですよ。

安さにびっくりして、2冊同時に買っちゃいました。大人でよかった。

 

めくれども、めくれども渋イケメンの山で、大満足です。

 

しかもポストカードも付いてますの。

送る相手は慎重に選びたい。

ポストカードとサイン付きの写真集は、こちらのたびそら通販部から買えますよ。

 

最後に、三井さんがインドの田舎をめぐる理由。

今は、旅先の情報が何でもネットで検索できるけれど、そこには「すでに起こったことしかない」。

 

それより、自分の経験や勘、偶然から、思わぬ場面に出会えることがある。

ネットにはない、観光地でもない場所で。

そんなとき、何か自分の意図を超えた力が、いい写真を撮らせてくれる。

 

「この世界のどこかに、僕に撮られるのを待っている人がいる、という信念があるんです」

 

現在、経済成長めまぐるしいインドでは、都会の人々が田舎に目を向けることは、あまりないそうです。

日本人が高度経済成長期の下町の風景を想って「あの頃はよかった」と言うように、人は失ってから、良さに気づくもの。

 

今のインドの農村のありのままを写すのは、ゆくゆくはその姿を失うであろう、「未来のインドに向けてのメッセージでもある」と、三井さん。

 

ありのままを写すことが、すなわち時代を写すことになるのだと、写真の奥深さに改めて気づきました。

 

そのあとの写真教室の内容は言えない

 

このブログはもうすぐ終わりますが、実はここに記した2時間半の帰国報告会のあと、がっつり4時間半、三井さんの写真教室があったんです!!

 

三井さん、7時間しゃべりっぱなし……。さすが、地球を2周した男です。(なんだかウルトラマンっぽい)

 

この写真教室の内容が、私のような初心者にも有益すぎて……!!

配られたレジュメに、びっしりメモしました。

有益すぎるので内容はひみつ。

 

私も、旅が好きなのですが、過去に撮っていたのは風景ばかりでした。

でも、今年4度目のキューバに行ったとき、たまたま出会った子どもの写真を撮ったんです。

 

 

これらの写真は、それを撮ったときの状況も含めて、心に残るものとなりました。(もしこの時、三井さんの写真教室を受けていたら、もっと彼らに近づけただろうなあ。)

 

三井さんは、「他人の評価やSNSのいいね数を気にせず、本当に自分が撮りたいものを撮ればいい」と言います。

 

何かに対する「偏愛」、つまり「これを撮りたい!」って気持ちを掘り下げれば、それが自分の感性になっていくと。

 

そうか、「偏愛」さえあれば、技術はあとからついてくるのかもしれない。

「カメラって、先に技術を身につけないといけないもの」と思っていた私には、目からウロコでした。

 

今回、東京・福岡・名古屋・大阪と行われた、三井さんの「帰国報告会」と「写真教室」。

早くも来年が楽しみです。(ありますよね…?)

 

さらに、三井さんはインドへの撮影ツアーもおこなっています。

来年も、インドの撮影ベストシーズンである1~3月頃に、あるかもしれません。

ああ、めっちゃ行きたい。でも、メキシコの里帰り期間と重なりそうなので、誰か100万円ください。

 

これからも目が離せない三井さんの最新情報は、Twitterでどうぞ!

三井昌志Twitter:@MitsuiMasashi

美しい写真の数々と旅のブログは、ぜひ公式サイトでお楽しみください。

三井昌志公式サイト:たびそら

 

ではでは、みなさまの元にも、すてきな渋イケメンが舞い降りますように……。

 

 

オマケ

 

写真教室中に、自分のカメラの設定をいじって何か撮ってみたくなった私。

目の前の水を撮る。

 

失敗。

 

 

成功!!

 

~完~

 

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